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「そこ、座って。ほら」
ソファに促すと、ユーリは警戒しながらも大人しく座る。
後ろにまわってタオルで髪を丁寧に拭いてやると、小さく早口で言う。
「馬鹿みたいに毎日連絡してくるから」
だから、今日は連絡なくてちょっとびっくりしてたのか。
薫ちゃんに拉致られた時点で連絡しとけば良かった。
「ごめん。明日からまた連絡するよ」
「――ウザい連絡を止めろって意味ですけど」
そんなに強がらなくていいのに。
「はい。もう良いかな」
まだしっとり濡れてはいるものの、大分渇いた。
そうにっこりと笑うと、睨んだあとに小さく『頼んだわけじゃない』と言いつつ礼を言うユーリは可愛い。
「で、何か用?」
そんなにツンツンされたら、可愛いユーリを見たくなる。
この長い髪がベットのスーツの上で乱れて、流れるように散らばるのを。
見たくなる。
「恋人なんだから顔を見たくなって飛んでくる事もあるよ」
スッと首筋を触ると、背中が大きくしなった。
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