20粒 欲情 ー檜山ー

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「そこ、座って。ほら」 ソファに促すと、ユーリは警戒しながらも大人しく座る。 後ろにまわってタオルで髪を丁寧に拭いてやると、小さく早口で言う。 「馬鹿みたいに毎日連絡してくるから」 だから、今日は連絡なくてちょっとびっくりしてたのか。 薫ちゃんに拉致られた時点で連絡しとけば良かった。 「ごめん。明日からまた連絡するよ」 「――ウザい連絡を止めろって意味ですけど」 そんなに強がらなくていいのに。 「はい。もう良いかな」 まだしっとり濡れてはいるものの、大分渇いた。 そうにっこりと笑うと、睨んだあとに小さく『頼んだわけじゃない』と言いつつ礼を言うユーリは可愛い。 「で、何か用?」 そんなにツンツンされたら、可愛いユーリを見たくなる。 この長い髪がベットのスーツの上で乱れて、流れるように散らばるのを。 見たくなる。 「恋人なんだから顔を見たくなって飛んでくる事もあるよ」 スッと首筋を触ると、背中が大きくしなった。
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