20粒 欲情 ー檜山ー

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見開いた瞳はやがてゆっくりそらされ、その瞳は閉じられる。 ユーリは唇を指でなぞると、少し考えてから此方を見上げた。 時間にして数秒だったかもしれない。 なのに長い時間そう見つめあっていたかもしれない。 返事は要らない。 その瞳さえ見れば、言葉なんて要らなかった。 「ユーリを貰うから」 どんな豪華な物でもユーリが欲しいと言うならば用意したいし、どんな物でも捧げたい。 俺の全てをあげる。 だから、傷も痛みも、その甘い体も。 全部、全部、ちょうだい。 全部食べさせて。 「……一時間もしないで、兄が帰るかもしれません」 だから、とユーリは少し起き上がり、俺の首に手を回した。 「続きは週末に」 そう言って、するりとパジャマがはだけ、白い肩が浮かぶ。 「じゃ味見だけ」 軽い口づけをすると、ユーリは薄く口を開いた。
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