四粒  悪ガキ ーside檜山ー

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「南野って、あのラグビー部の部長の?」 「はい。弟です」 こんな可愛らしい容姿であの南野くんの弟なのか。 「でも、加賀美先生も一緒に送ってくれたら助かります」 「嫌です」 清々しくはっきりときっぱりと言われて、南野弟くんは目を丸くした。 「…………」 「…………」 「…………」 じっとつぶらな瞳で加賀美先生を見つめる南野くん。 俺も一緒に圧力をかけるように見つめる。 それを断固拒否するかのように背を向ける加賀美先生。 3人は暫し無言だったと思う。 「あ、じゃあ酔った時に何をしたか南野兄に説明してきてあげましょう」 そうすれば加賀美先生に付きまとわずにすむかもしれない。 「は?」 「加賀美先生が困っているみたいですし。任せて下さい」 「……………」 ギリギリと歯を食い縛る加賀美先生は、素直で単純な人だと思う。 「じゃ、行きますか。南野くん」 「はい。あ、楪って呼んで下さい、せんせぇ」 「生徒は名字で呼ぶと決めてますので」 二人で玄関に向かっていると、唸るような小さな声がした。 「……俺も行ってやる」
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