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「共同購入にしますか」
「そんな生々しい話じゃなくて、俺、夫としてこのマンション住むよ?」
「夫ですか? 料理や家事、俺をベットから起こすのに?」
家事は全部俺がやらなきゃいけないらしい。
いいけど。でも。
「キングサイズのベットなんだから、一緒に起きるんだろ」
そう優しく微笑むと、ユーリの顔がほろこんだ。
「行こうか。ユーリ」
「……しょうがないですね」
素直にうんとは言わないあたり、可愛くて仕方ない。
荷物も全て移動済みなのだから、本当は今日の俺の返答しだいでは離れようとしていたのかもしれない。
エレベータ内で抱きつこうとして、監視カメラを指差され足を踏まれた。
最上階の1フロア一部屋のみ。
あまり人に関わらないユーリには良い部屋かもしれない。
カードキーを差し込もうとしたユーリの腕を掴む。
「新婚夫婦が新居へ入る方法を知ってる?」
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