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「――馬鹿な人ですね」
「そんな馬鹿な所も愛してるだろ?」
強気でそう言うと、冷ややかに見上げられたけど、
ユーリの頬は秘かに染まった気がした。
頬を触ると、目を閉じて自分から擦りよってくる。
そのまま、薄く開いた唇に指を入れたら甘く噛まれた。
「口……」
「ん?」
「唇で愛してあげましょうか?」
唇で?
ん?
んん?
一瞬脳裏を過ったのは、いくらなんでもユーリがしそうな事じゃない。
「此処を、唇で」
ユーリの太股をグリグリと押し付けてくるのは、熱を帯びた下半身だけど。
でも。
そんな言葉をユーリから聞けるはずもないと半信半疑だ。
いや半身半疑……。
つまらない当て字を考えるぐらいは動揺している。
また教授の入れ知恵か?
「言っときますけど、教授の入れ知恵じゃありませんから」
「え」
「リンちゃんさんです」
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