諦めてキスをしよう。

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ほとんど同じじゃないかと言おうとしたけれど、 ――水をさすような邪推な事はしたくない。 「お願いしようかな」 「かしこまりました。起こして下さい」 両手を伸ばしてきた可愛い恋人を引っ張り起こして、抱き止めた。 その後は目眩く時間で。 綺麗なユーリの顔にかかったソレが、俺の自制心や抑制心を刺激する。 我慢なんてできなかった。 「自分の味、キスして味わいますか?」 「……それは嫌だけどキスはしたいかな」 ワインを口に含み、ユーリの唇に流し込む。 こくこくと小さく飲み込む音がしたので、 頭や、 体や、 心が、 痺れるような甘く激しいキスを繰り返した。 キスだけでとろとろに溶けていくユーリは、艶かしくて。 もっとみたいと思った。もっともっと。 もっと激しく乱れてみせて。
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