諦めてキスをしよう。

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「あ、こら! 話はまだ終わってないからな!」 「話す事なんてありません!」 「あの家族に甘やかされたまま30歳になるつもりか!」 どさくさに紛れてシーツを引っ張ると、白い足が太股まで見えて満足してしまう。 だけど俺は本気で、ユーリを二回目の口説きに挑戦しているんだから。 「――本気だよ」 脱衣所のドアノブを先に握り、後ろから抱き締める。 「前にも言ったけど、ユーリは視野を広げて……それでも俺が好きって言ってくれたら嬉しいんだ」 「聞いた事ありませんけど」 「じゃあ今聞いて」 するりと耳に舌を這わせる。ぐりっと刺激するように舐めると小さな吐息が溢れた。 ユーリの感じる場所なら大体もう分かっている。 「耳は駄目です、馬鹿」 馬鹿……の声が掠れて艶っぽい。 「もう、少しずつ怖くなくなってきてるだろ?」 「……でも嫌いなのには代わりありません」
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