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「『嫌い』と『怖い』は違うよ」
「でも、嫌」
ユーリが甘えた子羊の目を向けてきてクラクラした。
いつの間にこんな高度な技を覚えたんだ?
危うく抱き締めてこのまま此処で盛る所だった。
「じゃあ一先ず、遅刻するからシャワー浴びようか。洗ってあげるよ」
「それも、駄目!」
「昨日のユーリは『駄目』も『嫌』も『もっと』って意味だったから」
「馬鹿!!」
「背中流してあげるから話の続きはこっちでね」
「浩二!」
あれよあれよとシーツを剥がし廊下の端に投げた。
すると朝日で身体がはっきり見えるのが嫌なのか俺に抱きついて、――頭を振った。
「意地悪しないで下さい。馬鹿」
「――!」
理性。
一瞬、さっきのシーツごと理性をぶん投げたのかと焦ってしまった。
どうやら何とか保たれた。
「じゃあ、一緒にお風呂と一緒に働く、どちらにする?」
サラサラの髪を撫でながら聞いた。
だけど、小さな声でお風呂を選ぶユーリ、ごめんね。
一緒に働く、は暫く諦めずに勧誘するよ。
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