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「いいえ。初めて加賀美に生まれて楽しかったです」
「なら良いけど……」
「まぁ、良いじゃないですか。早く隣に来て下さい。お腹空きました」
途端に浩二がロボットのように俊敏に動き出したから、珈琲を飲み干しながら笑ってしまう。
年下の恋人は、ちょっぴり甘えれば途端に尻尾と耳が生えるので面白い。
時々それがオオカミの尻尾と耳になるのは困るが、たまになら可愛い。
……たまになら。
「今日で俺は臨時最後ですから、明日からずっと家にいてあげましょうか?」
「卵焼きをスクランブルエッグにするユーリには家で一人は危なくて授業が終わるごとに電話してしまいそうだ」
「それは迷惑ですね」
クスクスと笑うと、溜め息を吐かれしまった。
まだ俺を自分の学園に働かせるのを諦めてないからちょっと迷惑している。
浩二は強く推すのが下手くそで困る。
イチャイチャする時は意地悪なのに、だ。
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