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少しずつトラウマを克服してきた俺に、浩二は意地悪ばかりする。
だからこうして気だるげに起きた朝は優しいから面白い。
泣くと焦る。
甘えると意地悪に。
懇願すると優しい愛撫に。
つくづくこの浩二という男は俺を飽きさせない。
日毎に愛情は増すばかりだ。
似合わないフリフリエプロンのまま慌てて席に座る浩二は愛しい。
眼鏡を外して、顔中キスしてやりたいぐらいは可愛い。
「俺も本当に浩二には甘いですよね」
「どこが!?」
サラダを分けながら浩二が飛び上がる程に驚くので、肩に乗せていたネクタイがポロリと落ちた。
それを味噌汁に付かないように引っ張り、俺の顔に引き寄せる。
「――おはようの挨拶に、ご飯のご褒美に、――甘いキスをしてるでしょ?」
そう言って、ネクタイにキスした後、浩二の頬に口づける。
「今日も美味しいですよ」
「まだ食べてないくせに」
ぷぷっと浩二は笑いながら、分けたサラダを俺の前に置く。
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