七粒  侵入ーSide加賀美ー

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「せんせぇ、僕寝不足なの。寝かせてー」 「――いい加減、夜遊びを止めなさい。クソガキ」 ソファで具合が悪そうに此方を見る南野弟に、キッパリそう言うと、追い払う。 「やーん。待ってよー。お昼休みだけでも寝かせて! 檜山先生が毎日お昼休みに来るのはリサーチ済みなんだからね!」 プリプリとなぜかこいつが怒っているが知るか。 「じゃあ檜山先生ごと帰りなさい。目障りだ」 「えー。酷いひどーい!」 小動物のようにちょこちょこした動きを見せるが、パッと見が女みたいな顔のせいで全然可愛いと思わない。 寧ろ、苛々してくる。 「こら。先生を困らせませんよ」 ひょっこりドアを開けて現れた檜山に、更に苛々する。 こいつのどら焼きやらパンケーキやらおはぎやらのクソ甘いケーキも腹が立つがまだ我慢できる。 「お兄さんと仲良く食べたら良いじゃないですか」 「んもう! 先生の意地悪……」 バタバタと追いかけて欲しそうに駆け出した南野弟を気にもせず、檜山は俺に笑いかけた。 「あの兄弟は本当に困りますね」 甘く笑って油断させようと企んでいる。 ――こいつの狙いは一体何なんだ?
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