七粒  侵入ーSide加賀美ー

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最近、実はこっそり睡眠薬を増やしている。 俺を溺愛する両親が心配してくれたから、甘えさせて貰った。 学校の保健室だと言うだけで、 三人組の女が廊下の向こうから歩いてくるだけで、 ――笑い声を聞くだけで。 吐き気がして気分が悪くなる。 苦い薬を綺麗な瓶に摘めてポケットに仕舞い、 それを握りながら煙草を吸うと少しだけ落ち着く。 なのに最近は、檜山や南野兄が来る。 あの時の、女たちみたいに、 俺を見る視線が他とは違う。 檜山はその中でも更にやっかい。 身体じゃなくて、心まで侵入して来ようとするから。 「……本当に気分が悪くなってきた」 なかなか深い眠りにつけない日々に、緊張感に、 俺の心は蝕まれていく。 たった数ヵ月だけの我慢だけれども。 フラリと揺れる風景。 頭の奥がツーンと痛くなるのを感じる。 今日は、面倒な奴が来ませんように。 そう思いながら、目頭を押さえた。
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