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深く眠れない日は夢を見る。
縛られた腕。
クスクスと笑いながら服を脱がしていく奴等。
縛られた腕に、脱がされた服が引っ掛かり、動きは更に鈍くなっていく。
唇を奪われて、気持ち悪くて噛みついた。
暴れて蹴りあげると、足を押さえられ上に乗られる。
酷い悪夢の時間だった。
気持ち悪くて、全身を這われて。
無理矢理、だった。
腕の感覚が無くなる頃に、バシャハシャと撮られる写真。
その後の事はよく覚えていない。
壊した携帯が三台。
泣きじゃくる奴等。
――汚れた身体。
夕日が、綺麗に教室に差し込んできて、
現実とはかけ離れた夕日の綺麗な影に、笑うことしかできなかった。
「――加賀美先生が泣かなくても良いのに」
冷たい手が額を撫でる。
「――加賀美先生が傷つく必要はないのに」
目元を掬われ、涙を拭かれたんだと分かった。
「壊れやすい繊細な人って愛しいですね」
――抱き締めたくなります。
そう、誰かが俺の耳元で囁いた。
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