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「一人で抱え込まないで、何でも相談して下さいね」
そう、優しく言われたら胸がざわざわ痛む。
「ただの同僚に言う話では、ありません」
「へぇ。……そうですか」
ピキピキと空気が凍るのが分かった。
「ただの同僚以上になれば良いんですね?」
伸ばされた手に体を揺らすが、檜山は緩めた首元のボタンを直してくれただけ。
なのに触れる指先は熱くて。
触る指先は、優しくて。
「土曜日、また腹を割って話しましょう」
「い、嫌だ」
「嫌なら迎えに行きます。病院の方に」
「!」
「俺、5限は空きなんです。テストの採点は後回しにしますんで送りますね」
そう言うと、ケーキを冷蔵庫から取り出して食べ始。
テープを剥ぐとそのまま、フォークも使わずかぶりつく。
「そんな、そこまで迷惑かけれません。定時までは居ますっ」
「もう校長には伝えています」
「――っ」
良い大人が倒れて早退するなんて、なんて失態だ。
「大丈夫ですよ。偶には自分の身体も大切にして下さい」
そう言うと、ぺろっと手についた生クリームを舐めとる。
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