七粒  侵入ーSide加賀美ー

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「悔しかったら、ちょっとは俺に甘えて下さいね」 れろっと指先を下から上に舐め上げると、人差し指を口に含んだ。 男なのに酷く色気を漂わせ、艶かしい音を立てながら。 「――その食べ方、変ですよ」 「そうですか?」 更にシュークリームに手を伸ばして笑う。 口についたクリームを、赤い舌で掬い上げながら。 「ケーキ以上に甘い物ってあるんですかね? 指まで甘くしてくれるケーキよりも」 ぺろぺろと舐めながら、ゆっくり食べる。 舌で掬い上げる時、俺から視線を逸らさずに。 ――こいつは何がしたいんだ。 なんでそんなに挑発的に見てくるんだ。 「さ、砂糖でも食べてれば良いのでは?」 「ふふ。それ、生徒にも言われました。まぁ最終手段でたまにするんですよ」 ……砂糖でも主食にしとけ。 そう悪態つきたいのに、ざわざわ心が落ち着かないせいで、うまく声が出なかった。 「お腹だけじゃなくて心も満足したいんです。心を満たす甘い物」 そんなの、俺が分かるはずないだろう!
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