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綺麗な横顔のその男の名は、『加賀美 裕璃(かがみ ゆうり)』
切れ長の瞳に、艶のある冷たそうな男。
男でもこんなに綺麗な人はいるもんなんだ、と思わず見とれてしまった。
しかも、加賀美病院はこの町で一番大きく、そして信頼と歴史も厚い。
なかなか決まらなかった後任に、加賀美の者が入ると知って皆が安心していた。
なのに本人はいつもピリピリ。
そして俺たち教員とは常に距離をとる。
皆、加賀美先生と仲良くなりたいと頑張っているのに、
加賀美先生はするりと無視をする。
それは、プライドが高いのに無理矢理医者から保健師に移動になった不満からだと思っていた。
「檜山先生ー。あの新しい保健師ちょー怖い!」
「私も怖かった!」
「お腹痛いのに保健室行きたくないよー」
続々と寄せられる声は女子ばかり。
もしかしたら女子が苦手なお坊っちゃまなんだろうか?
俺は、加賀美先生に早く慣れてもらいたくて、
校長も困っていたし世話係を引き受けることになった。
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