第1話 小さな猫の物語

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しばらくは二匹仲良く会社に来ていたが、ある日を境に大きなトラは姿を見せなくなった。 毎日小さなトラだけが会社に来るようになった。 大きなトラが来なくなって母は小さなトラを抱き抱えながらさみしそうに呟いた。 「大きなトラは死んでしまったのかもしれない。 自分が死ぬのを予期して、みんなを悲しませないように自分の代りを連れてきたのでしょう。」 母は涙を浮かべていた。 母は小さなトラも大きなトラと同じようにかわいがった。 小さなトラもいつも母の側にいた。 二代目トラはすくすくと成長した。
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