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「糀谷さん。今朝、男子中学生とご一緒で登校されていたようだけど。
あなたとは、いったいどのようなご関係なのかしら?説明して下さるわよね?」
駒子は、心の中で舌打ちをして思った。
アイツ、もたつきやがって、噂好きの加古川さんに捕まっちゃったじゃないの。
駒子様が面倒に巻き込まれたことの償い、あとできっちりさせてやるわ!
「鉢元渡っていう、私の専属の執事よ。
あの子の父親が、私のお父様専属の執事として働いているから、
私の専属の執事になったの。
たまたま成績がよかったから、
家のお父様に気に入られて、中学に行かしてもらっているの。私の鞄持ちと送り迎えの仕事もあるしね」
「では、駒子さんは、鉢元様に特別な感情をお持ちでいらっしゃる、というわけではないのですね?」
「はあ?」
駒子は、あっけにとられて、加古川さんの顔を見た。
加古川さんの頬はピンク色に染まり、目はキラキラと輝いていた。少女マンガの主人公みたいだと思った。
「あの、もしかして加古川さん、アイツのことが好…?」
加古川さんは、キャーッと悲鳴を上げ、慌てて駒子の口を手で封じた。
「もう、糀谷さんったら。
わたくし、とても恥ずかしくて、その先を聞く勇気がありませんわ」
「あのさあ、アイツのどこがいいの?」
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