目覚める魔王 バイト中の勇者

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「それはお前が残念なセンスだと思ってるからだろ……パートナーとか面倒だなと思っ……そうか!!人間に選ばれなければいいんだ……って何で口に出してるんだ」 「そんなのわしが許すわけがないじゃろ。それで……他に溜め息の理由はなんじゃ?」 サイガが両手で頭を抱えるオーバーリアクションをアイシャは団扇で叩き、サイガを元に戻した。 「逆らえないのは分かっているさ。……あの男魔族が俺の事を知らなかったからだよ。時が経過しても魔王だったから……有名なんだろうなと思ってただけだ」 「何かと思ったらそんな下らん事か。現在ではサイガと名乗る者は大勢いるんじゃぞ。人間界でもサイガだけでなく、同じ名前を持つ者など何人もおるしな。それにこの団扇を見てみろ。これはアニメでやっているお前の姿じゃ。どう見てもお前じゃないじゃろ。観光客もお前が魔王サイガとは思っておらん」 アイシャが言うように、団扇に描かれているサイガの絵は髪や肌の色、角が生えてるなど魔王時代のサイガでもそんな姿はしておらず、別人となっている。 「誰これ?まるで別人じゃんかよ!!何だよ……そんなに俺が魔王に見えないのかよ……」 サイガは黒一色の服装すらも真っ白になるのではないかという程落ち込んだ。 「お待たせしました。魔王サイガ様のパートナー候補者は一人該当する者がおりました。その者の履歴を映像に流します。その者はパートナーに出来る相手が誰もいなかったんです」 「俺を魔王と言ったのか!!」 その落ち込みも一瞬の事で、最後は魔王と呼ばれた事で生気を取り戻した。
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