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「あの……魔王サイガ様。エリス様で宜しければ紹介の連絡をし、こちらに来てくだされば、移動装置でエリス様がいる場所まで転送出来ます。ちなみに交渉時間もありますが、エリス様を中心に半径二十メートルまでしか移動出来ませんので」
「いや、わしがサイガを移動させるから構わんぞ。装置も城にあるしな。エリスの場所にもきちんと届けるし、時間も守らせるから構わんじゃろ」
「アイシャリウス様には投資してもらっておりますし、信用しておりますから。サイガ様さえ宜しければという事に」
「それでは決定じゃな。また用が出来たら連絡する」
「ありがとうございます。またのご利用お願いします」
「おい!俺は何も言ってないし、勝手に納得して、笑顔で切るなよ」
魔王サイガよりも投資しているアイシャの言葉の方が男魔族には強かった。
「それでは人間界に行くための装置の場所に移動するかのぅ」
アイシャの周囲に蝙蝠が集まり出し、椅子に座った状態で移動装置がある場所まで運んで行くのだが、サイガの周りには一匹も集まる事なく、その場まで歩く事になった。
「そういえば、あの魔族が投資とか言ってたけど、俺が寝ている間に何かしてたのか?」
「大体がお金貯めじゃな。いろんな職業も経験したぞ。それと城にあった宝石や金塊を元手に色々と建設したり、紹介所に投資したりとかな」
「そうか……色々してたんだな……って城にあった宝石や金塊は俺のだよ!!」
「お前がいつ目覚めるかも分からんからな。使わないのは勿体ないし、おかげで多く稼がせてもらった。百倍は軽く越えておる。お前には人間界の生活もあるし、元手は返してやるから安心するんじゃな……と着いたぞ」
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