王女様は負けず嫌いなようです。

2/30

36人が本棚に入れています
本棚に追加
/105ページ
ラキアス学園 ミクス国一であり、南大陸の中でも一、二位を争うマンモス学園である。人間学、魔学、機学とそれぞれの世界の知識を学べるだけでなく、剣術や魔法、科学などの専門分野もあり、職業に応じた技術も教える場所でとある。学生数も多く、入るのにも何かしらの能力が必要とされている。 「ラキアス学園にようこそ。ここで多くの知識、強さを学ぶといい。この学園には決まったクラスはない単位制であり、必須なものと自分で選択する科目がある。選択といっても条件が付けられているのだが…………話の続きはアイシャ先生に聞くといい」 サイガは校長室にいた。校長はサイガにラキアス学園の説明をしていたのだが、体は震えているだけでなく、目もサイガの方を向いていなかった。それはサイガが魔王と知っているのではなかった。 「分かりました。サイガ君は私について来なさい。今日から授業が始まるのではなく、二日間に渡ってテストをして、その結果から授業を選ぶ事になるから。今日は人間学、魔学、機学の筆記テストをする事になっているから、その場所に移動するわね」 校長室にはサイガと校長の二人だけはなく、もう一人教師がいて、その相手に校長は怯えていたのだ。 サイガもその教師の名前からではなく、姿で誰なのか理解した。子供の姿ではなく、大人バージョンのアイシャであり、サイガがよく見ていた姿だった。身長もサイガが百七十なのだが、それよりも少し高く、白髪も腰の高さまで伸ばし、スタイルも出るところは出ているといった感じになっている。 アイシャはサイガやエリスのように学生ではなく、教師だった。校長の怯えようから、裏で仕切っているのはアイシャであり、教師になったのも無理矢理なような気がした。 サイガは校長を哀れた思うのと、自分と同じなんだと同情し、アイシャと共に校長を出た。 「お前が来るのを見ておったが、一緒に住んでおるのに、エリスとは共に来なかったんじゃな」 校長室を出るとアイシャは口調を戻しており、やはりと言うべきか、サイガとエリスが一緒に暮らしているのを知っていた。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加