王女様は負けず嫌いなようです。

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「この日ばかりは来ると思っていましたわ。勇者だけでなく、ラキアス学園の特待生でありながら授業も最低限しか出席せずにサボるばかり、私の勝負も無視続ける。ですが、この時だけは貴女と確実に勝負が出来ます」 「……エリス……お前……それは駄目だろ。それに彼女に何したんだよ」 マキナが言う言葉が正しければエリスが偽勇者と言われても仕方がない。勇者とは人の模範となるべき存在であり、尚且学園の特待生でもあるのだ。それなのに授業をサボっているのであれば、疑うのも無理はない。だが、マキナはエリスに対してそれだけではないものがあるように見える。 「勝負って…………マキナはテスト総合一位でしょ。人間界は当然として、魔学も魔族を差し置いて一位だし、機学も二位。実技の魔力測定、魔法戦闘でも一位。どう考えても私が負けてるじゃないの?」 「……一つ抜けてるでしょ。機学も一位を取ってみせますけど、実技における武術戦闘に関しては貴女に負けているんです。魔法戦闘は貴女はいつも参加しませんから、今回も一位を取るつもりなのでしょ。特待生はどれか一位を取らなければ退学となってしまいますからね」 「えっ…………そうなの?」 エリスは頷き、アイシャがサイガに一位を取れと言ったのは、サイガもエリスのように特待生の可能性がでてきた。 「貴女もいつものようにいくとは思わない事です。今度こそ私が勝ちますから。楽しみしてなさい」 マキナはエリスの宣戦布告をして、元いた場所に戻って行った。 「なぁ……あいつって一体誰なんだ?」 「ミアス国のマキナ王女…………何でこの学園にいるか分からないけどね。毎回武術戦闘で勝ってるから、貴族のプライドが許さないのかも。それに私って嫌われてるから。さっきの態度みたら分かるでしょ」 取り巻きがマキナ様というのは本当に偉い人物だからだった。だが、エリスはマキナを様付けで呼んでいなかった。
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