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「…………そうか?」
サイガはマキナがエリスを嫌っているようには見えなかった。敵視してるのかもしれないが、相手にして欲しいみたいに感じた。それをエリスに言おうとしたが、チャイムが鳴り、テストが始まった事でその事を忘れてしまうのだった。
テストは一つにつき二時間使用する。最初は魔学からであり、何百年も経過しているから無理だとサイガは思っていたのだが、簡単過ぎる問題ばかりだった。古の魔法や特殊な詠唱方法などサイガの魔王時代では当然だった事が貴重な知識になったいたのだ。他の問題もその知識を持っていれば、応用する事で答えが出てきた。
「ふぅ…………魔学は何とかなりそうだな」
サイガは一息つき、ふとエリスの方を横目で見ると、エリスもチラチラとサイガを見ていた。サイガを見るというよりもサイガの答案用紙をだ。
監視の教師がいるのにも関わらず、エリスはカンニングをしようとしているのだ。
魔学のテストが終わり、次の機学のテストだったのだが、サイガにとって機界は全く知識がなく、白紙で出すはめになったのだが、エリスも開始して半分を満たない時間で居眠りを始め、どう考えても途中で諦めたのだろう。さらには最後の人間学においてもサイガよりも早くギブアップをしていた。
その姿を見て、誰もエリスが勇者だとは思わないのは仕方がないだろう。
一日目のテストが終了し、エリスはすぐさまバイトに向かった。明日の武術戦闘はまるっきり気にしてない様子だった。アイシャもテストの採点か、実技テスト、武術戦闘や魔法戦闘の準備のためかサイガの前にには現れず、二日目の朝を迎えた。
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