王女様は負けず嫌いなようです。

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「やはりエリス、貴女と私の戦いになりましたわね」 マキナは大歓声の中、物怖じしていない。それは王女所以の事だろう。それだけでなく、エリスにすぐさま攻撃を仕掛けなかったのも正々堂々、真正面から戦いするつもりなのだ。 「私に勝つつもりなら、話し掛けないで攻撃したらいいのに。戦闘であって決闘じゃないんだし…………隙が悪いんだから」 エリスはそう言いながらも、隙など一つもなかった。マキナが何も考えずに攻撃をしていれば、一瞬にして決着がついていただろう。 「私にとっては大事な決闘なのよ。それに貴女を応援する人がいる中で卑怯な真似は出来ませんわ。私を応援する大勢の中で、応援してくれるなんて良いパートナー…………とあれは一体誰なのかしら?」 エリスは誰も応援なんかしたくれないと、必要でさえも思っていなかった。だが、マキナが顔を向けた方を見ると確かに自分を応援してくれる人物が二人いる事が分かった。 声は聞こえずとも、エリスの名前が書かれた大きな旗を振っているのが一人と、無理矢理付き合わされた様子で応援しているパートナーであるサイガ。 「…………アイツら!!後でどうなるか覚えてなさいよ」 二人の応援によって、自分には応援が必要でないとエリスに強く思わせる結果になった。 「良い応援ではありませんか。貴女をきちんと応援している。…………私に対する応援とは違いますわ」 マキナはエリスに寂しそうな笑顔を向けた。 「何言ってるのよ…………あんなの恥ずかしいだけじゃないの。アンタには悪いけど、さっさと終わらせてもらうから」 「ええ…………勝って、終わらせるのは私ですわ。それで次は貴女のパートナーも倒します!!」 先に仕掛けたのはマキナであり、エリスは待ち構える形となった。
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