王女様は負けず嫌いなようです。

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「おお!!エリスが勝ったのか」 勇者の力を持ってるエリスのとっては当たり前の事だが、武器破壊をされた時はサイガもドキドキしていた。それは魔王以外の人間に勇者が負けるのが嫌だったのか、何故そんな気持ちになったのかサイガにも分からなった。 武術戦闘が終わった事で気絶した選手は担架で運ばれていく。エリスも退場する中、店長は勝ちどきをあげるように持った旗を勢いよく振り回しているのだが、観客である学生達はまたもエリスにブーイングを投げている。 ルールではエリスが正しいのだが、武器破壊をされた時点で負けを認めるなが当然だと観客は言っているのだ。 エリスはそれを無視して、さっさと退場していく。しかし、マキナだけは退場する様子はなかった。 「エリスに祝いの言葉を言いに行くぞ。勿論サイガも来るのだろ」 エリスが勝ったはずなのに、こんな言葉しか言われないのは悲しい事だとサイガもそれに頷き、エリスの元へと行こうとするが、闘技場の観客席にいたはずなのに、先程までエリス達が戦っていた場所にサイガは立っていて、サイガだけではなく魔法戦闘に参加する選手達が一気に集められていたのだ。 「すぐさま魔法戦闘を始めようと思う。今回の魔法戦闘の主宰は私、アイシャが任されている」 サイガや他の選手達が集められてたのはアイシャが全員を魔法で移動させたのだった。マキナに至ってはアイシャから先に聞かされていたのか、もしくは動けなくさせられていたのかと考えられるが、すぐに後者だと分かる。 他の選手は魔法戦闘のために杖や魔導所などを持っているが、武術戦闘が終わったばかりのマキナにはそれを持っているわけがなかった。サイガは準備どころか、杖や魔導書も持っていない。 「さて、ルールを説明させてもらうぞ。まずは回復魔法の禁止。補助魔法は良しとする。属性も自由だ。杖や魔導書なども認める」 魔法とは体に宿る魔力、自然などに満ちている魔力などを利用して発動出来る。その方法は大陸や国などで違いはあるが、基本は呪文の詠唱だろう。 次に魔法分野では攻撃、回復、補助が基本分野であり、アイシャが先程使った移動魔法、それに関連した召還魔法などがある。 属性に関しては四大元素である、風、火、水、土と光と闇が発見されており、一人一人の体に何かの属性が宿されている。
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