王女様は負けず嫌いなようです。

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「アイシャの奴……魔法戦闘で何て物を召還しやかったんだ。おい!!無闇に魔法を放つな。それが目的なんだ」 「何言ってるんだ。魔力がD判定の奴が先に破壊されたくないだけだろ」 選手は人間だけでなく、サイガと同じく魔族もいる。サイガとマキナを含めて十人なのだが、マキナ以外がサイガの言葉を無視して、ゴーレムに様々な攻撃魔法を放ち、直撃させる。 それで終わりではなく、始まりだった。エネルギーが空なのを魔法の直撃を受ける事でチャージした。 アイシャは魔法を吸収するゴーレムを召還するというタチの悪い事をやったのだ。それに選手達、学生達はゴーレムに関する知識がなかった。 「何で…………壊れるんじゃなくて、動き出すんだよ」 魔法を放った選手達は混乱し、また詠唱を唱え始める。魔法戦闘であるなら、魔法で倒せないとおかしいからだ。 「馬鹿野郎!!何悠長に突っ立ってんだよ。狙われるだけだぞ!!」 魔法を詠唱する際、誰もがその場から動こうとしない。姿を見ても体力に自信があるようなメンバーである事が分かる。だが、この魔法戦闘では戦士などが詠唱の邪魔をさせないように攻撃するのだが、その戦士がいない。他の選手の魔法も吸収されるから意味をなさない。 ゴーレムは直撃した魔法を自分の魔力に変換し、その魔力を使用し、目からレーザーを放ち、手を振り回す。魔法の詠唱に集中するために目を閉じた選手にはそれを避ける術がない。 それをサイガは選手の一人を抱えながらも避け、マキナは補助魔法に当たるシールドという魔法防壁を作り、選手達を助けた。だが、その魔法防壁はゴーレムの一撃で粉砕された。レーザーや手を振り回す攻撃は簡単に人を殺せる威力を持っている事が選手達には分かった。
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