王女様は負けず嫌いなようです。

18/30

36人が本棚に入れています
本棚に追加
/105ページ
観客達は何事もないように応援している。それは結界が今起きている事と違う映像を見せているのかもしれない。そうでなければ観客から悲鳴が起きてもおかしくない。 アイシャは生き残っていれば評価を与えると言っていた意味が選手達も分かった。 「どういう事だよ…………このままだと俺達殺される」 ゴーレムの攻撃をマキナのように魔法防壁で選手達は防ぐのだが、一度の攻撃で壊される事から何度も使わればならず、魔力が無くなればそれも作り出す事が出来なくなる。 「……エリスのパートナーに頼むのは心苦しいのですけど、この状況では仕方がありません。貴方はあれが何かを知っているようですが、弱点とかはないのですか」 マキナはゴーレムの攻撃を避けながらも、サイガの側に来たのだが、明らかに疲れが見てとれた。武術戦闘の疲れも取れてないのもある。それに杖や魔導書を持っていない事が、他の選手達よりも魔力の消費が激しく、自分だけを護っているだけではなく、周囲に補助魔法を掛けたりもしていたのだ。それが王女としての務めだと思っているのだろう。 「…………お前凄いな」 サイガはマキナの姿を見て、取り巻きがいるのは王女だからだけではないと分かる。エリスよりも勇者みたいにも見える。 「何を言ってるんですか?当然の事です。それに……ある意味私にも責任がありますから。それよりもどうなんですか。知っているのなら」 「あれはゴーレム。魔力をエネルギーに動く魔動人形だ。普通の魔法は吸収され、エネルギーになるだけだ。倒すにはゴーレムの体には文字が刻まれていて、その一部を削れば体が崩れるようになっている」 「ゴーレムの体に文字の一部を消せば崩れるのですね。その文字は…………もしかしてアレの事を言っているのではないですよね」
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加