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ゴーレムが崩れ去った事で結界は解除され、サイガが一位たなった事が告げられた。
結界の外側からの観客はゴーレムの強さだけが違うように見え、サイガ達の行動は普通に見えていた。
だからこそ、エリスの時と同様にサイガに対してブーイングが起きた。それは選手の一人が言っていたように武器を使ったからだ。マキナ達だけでなく、観客もサイガが使った魔法刃を確認しておらず、武器に属性魔法を掛けただけと思っているからだった。
「はぁ……疲れた。魔力も全然残ってないし」
サイガも観客の声を気にせず、マキナの方に足を向けた。
「わりぃ~最後に砕けちまった。それと観客達は結界から違ったように戦いが見えてたかもしれないか、弁護するような事はしなくていいから」
「っ…………そんな事はしません!!貴方はこうなる事が分かってやった事なんですから。それと……貴方も私のライバルの一人に入れてあげます。私に抜かれないためにも切磋琢磨しなさい」
マキナはそっぽを向き、闘技場から退場していく。そして、他の選手達もサイガに一礼して、マキナの後に続いて退場した事は、観客達には変に見えただろう。
サイガも最後に退場すると、出口には子供バージョンのアイシャが待っていた。
「また子供の姿になってるし…………それよりも、あれは何のつもりだ。俺を一位にするためなら他にもやり方があっただろ」
「子供の姿はな……先生だと誰かが通った時に変な目で見られるかもしれんからじゃ。それとこの姿の方が落ち着くんじゃ。好物のこれも大人の姿では食べにくくてのぅ。疲れたドキュメントは甘い物にかぎる」
アイシャの手にはペロペロキャンディーがあり、口の中に入れた。
「それはさておき、私が何もせずとも、魔力がD判定となったお前でも一位は取れたじゃろうな。私の狙いはな……マキナに恩を売るためじゃ」
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