王女様は負けず嫌いなようです。

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「恩を売るためって……何のためにそんなのが必要なんだよ」 「世界征服のための第一歩じゃ。まずはラキアス学園の掌握と思ってのぅ。ミアス王国の王女であるマキナに恩を売っておいても損はないじゃろ。それもすぐに使えるんじゃから。この後に控えている行事は生徒会選挙。お前には生徒会に入ってもらう。お前だけじゃなく、エリスにも入ってもらおうかのぅ」 「成績の優秀な奴が生徒会に入れるとか、そんな話を生徒が話していたけど……やっぱり、それなのか。エリスも入れようとか、生徒会って何なんだよ?」 「生徒達のリーダー的組織じゃな。学園同士の勝負も生徒会が請け負う。つまり、他の学園も征服出来る機会を与えられるんじゃ。それだけじゃなく、私以外の先生と繋がり、弱味も握れるかもしれん」 「弱味って…………お前がいろんな奴の弱味とか握っている気がするんだけど」 サイガは世界征服に興味はないが、アイシャがやらせようとしている事は遠回りな気がしてならなかった。それもアイシャ自身が楽しみたいだけなのかもしれない。 「私がそれを教えて、何が楽しいんじゃ?とりあえず生徒会選挙には登録しておくが、エリスはお前が説得するんじゃぞ」 「お前がやってくれるんじゃないのか!!俺の言う事なんて聞くわけがないんだから。バイトとかで時間もないだろうし」 エリスはサイガの家に住む事でお金の消費を抑え、バイトもしているのは、お金を貯めるためだろう。生徒会はお金にならないだけじゃなく、バイトの時間も削られる事から入るわけがない。
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