王女様は負けず嫌いなようです。

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「はぁ?こんな場所まで来て、一体何の用かと思ったら……馬鹿じゃないの」 アイシャと離れ、サイガはエリスに会いに行った。魔力を消費するば、腕輪の力でパートナーがいる場所へと瞬時に移動が出来る。それにはパートナーであるエリスの了承も必要なのだが、OKが出たところで移動した場所はエリスのバイト先だった。 店内はTVが設置されていて、アニメが流されている。サイガはアニメを見るのが初めてだったのだが、それは勇者エルナの冒険セカンドシーズンらしく、第一期が魔界編で第二期が機界編。エルナは人間界を二度救い、魔界と同じく機界との架け橋となったとされている。 両方とも放送はすでに終わっているのだが、再放送や録画機があればいつでも見れるようになっている。店内に流されているのも録画機を使用したのであり、三つの機体が合体して巨大ロボになって、機人がそれに乗り込み、その巨大ロボの肩にエルナが立っている場面が流されている。そのアニメのエルナは本人とよく似ていた。 そのエルナとエリスは似ており、勇者でもあるせいか店に来たお客に写真を求められたりしており、お金を貰う事で一緒に写ったりしている。その他にも貴重な物が置かれているおかげで、お客はちらほらといる。 サイガは仕事の邪魔にならないように、レジにいるエリスに声を掛け、生徒会の事を話すと、思っていたような返事が来た。 「アンタも何で生徒会に入ろうとするわけ?それに私を誘う理由も分からないわ」 生徒会に入るのは世界征服のための一歩であり、アイシャがそれに利用するためだとは言えるわけがない。 「えっ……と……」 エリスは答えないサイガを怪しい目で見てくる。 「…………まぁ……いいわ。言っとくけど、私達が生徒会に入るなんて無理だから……いらっしゃいませ。こちらの一点で宜しいでしょうか?」 普段見せないような笑顔をエリスを客にし、会計を済ませる。その後にサイガに向ける顔は、いつものダルそうな顔に戻っていた。
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