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「なるほどな。城の中に人間がいた理由は分かった。俺が昔の姿なのも中途半端に復活したかはなんだろうな。だが、アイシャ……お前には色々と言う事があるぞ」
サイガはアイシャが用意した黒一色でまとめられた服を着ており、魔王城にある食堂でアイシャと二人で座り、蝙蝠達が食事を次々と運んでくる。
魔界には時間という概念はなかったのだが、人間や機人と共に生活するために時間を示す時計をアイシャは勝手に置いており、今は15時で昼食には遅いのだが、永い間眠っていたサイガは何でもいいから腹の中にいれたかった。
「何じゃ?子供の姿なのは何かと都合がいいからじゃ。人間界では何かと物を与えられるし、移動のためのお金も少なくて済む。まぁ、状況に応じて元の姿に戻るなりはしておるがな。蝙蝠達よ、わしに1パック頼む」
蝙蝠達がアイシャに持ってきたのは人間の輸血パック。血が足りないわけではなく、アイシャというのは呼称であり、本名はアイシャリウス=ワーエンドという真祖と呼ばれるヴァンパイアであり、最古の魔族と呼ばれている。サイガとは永い付き合いなのだ。
能力は蝙蝠を操る事から、変身能力、記憶操作も出来、力や魔法はサイガと同等の力を持っている。永年生きていたせいか、太陽の光なども克服し、弱点を無くしたりもしている。逃げ出した観光客も蝙蝠達を使って城から出し、ここで何かあったのか忘れるように記憶操作もしていた。
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