王女様は負けず嫌いなようです。

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「……ふぅ。言っておくけど、さっきの笑顔は客だからよ。私がレジをやった方が商品が売れるのよ。アニメでやってる勇者の顔が私に似ている事もあって、笑顔を見るために商品を買う奴もいるから」 エリスの顔は先程の客に向けた笑顔ではなく、人を馬鹿にしたような笑みをしていた。 「……客もいなくなった事だし、さっきの話に戻すわよ。あっ………これはアンタの金で払ってよね。情報科ってやつよ」 エリスは客がいなくなった事で、商品のお菓子を開けて食べ始めた。 「仕事中にそんな事していいのかよ。店長が何にか…………」 気付かなかったが、店の中に店長の姿がなかった。 「店長?ああ……お仕置きとして、闘技場で体を分解したのよ。本当はこの時間は店長なんだけど、私が代わって稼がせてもらってるわけ。帰ってくるのに時間が掛かると思うわよ。……アンタは店長に無理矢理付き合わされただけだから許してあげるわよ」 学園では武術戦闘が人間界、魔法戦闘が魔界とするならば機界に関する実技が残っているのだが、それはその日に行われるのではなく、時間掛けて作り上げた機械を展示し、評価してもらう形になっている。その展示されている場所に店長の頭部分が飾られていて、学生に助けを求めていた。 「……で生徒会だけど、アンタは全然知らないでしょ。生徒手帳で生徒会や生徒会選挙の事を調べる事が出来るから、まずはそれを見なさいよ」 サイガはエリスに言われたように、慣れない手つきで生徒手帳から生徒会について調べた。 生徒会は会長、副会長、書記、会計の四人で構成されている。生徒会は他の委員会を指揮する事やアイシャが言っていたような事が書かれている。そして、選挙は立候補や推薦で選ばれた者を四月最終日に学生の投票で決める。立候補や推薦される者は成績優秀者のみとも書かれていた。 「これがどうしたんだ?俺やエリスも魔法戦闘や武術戦闘で一位になれたんだから問題ないだろ?」
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