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「……アンタって副会長に立候補した後だったわけ?言っておくけど、一度受理されたのはキャンセル出来ないから。まぁ……これで諦めがついたわね」
「……そうだよな。生徒会に入れって言っておきながら、簡単な道を選ばせるわけがなかった……」
会長と副会長に選ばれるのはマキナとキースで揺るがないとエリスは言っており、周囲の学生もそう思っているのかもしれない。それをアイシャは崩せとサイガに言っているのだ。会長に立候補しなかったのはマキナに生徒会に入ってもらうためだろう。
「人が忠告してあげてるのに無視するわけ……勝手にするといいわ。私には関係ないし、犯罪だけはしないでよね。用が済んだんだから、さっさと出ていってくれない。晩御飯の用意もしておいてよね」
サイガはエリスに見せないから追い出された。生徒会選挙の立候補、推薦は今週までとなっている。
そして、この日に立候補を決めているのは副会長にキース。写真も見れるようになっていたのだが、銀髪で眼鏡を掛け、知的なイケメンという感じが出ている。
他の役職にはまだ誰も立候補、推薦はされていなかった。マキナも会長に立候補していない。マキナは自ら立候補するだろうと誰も推薦する学生はいないのだろう。そして、マキナが会長に立候補した後に書記や会計に人が集中する形となる。
「はぁ……どうやってエリスを生徒会選挙に参加させる事が出来るんだよ。弱味を握るとかでも、逆に握られそうだしな」
生徒会について生徒手帳を弄っていると、推薦者と表示された画面になった。そこには役職、学年、名前と入力し、誰が推薦したのか分からないようにするための設定する事も出来るようになっている。
生徒会選挙は立候補は当然として、推薦された者もキャンセルする事は出来ない。
「無理矢理だが、生徒会選挙に参加するという形は取れるか……俺がしたとばれない事だし」
サイガはエリスの意思を無視して、金にうるさい事から会計に推薦した。
それが生徒会選挙に波乱を巻き起こす事になる。
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