王女様は負けず嫌いなようです。

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「やってくれたわね!!何の恨みがあるわけ。私は生徒会に入らないって言ったわよね」 エリスはバイトから帰ってくるなり、サイガの部屋に乗り込んできて、エリスの生徒手帳を見せてきた。そこには会計に推薦された事が報告されていた。 「な、何で俺だって言い切れるんだよ。他に推薦した奴がいるかもしれないだろ」 「アンタと話をした後すぐじゃないのよ!!どう責任とってくれるのよ。選挙中は学園をサボって、バイトに行けなくなるんだから」 エリス曰く、選挙期間は学園をサボる事は出来ないだけでなく、バイトも週末しか許されていない。それを破れば退学処分とされる。 これは特待生という立場からであり、選挙に参加しなければバイトをしても問題はなかった。何かしらの行事に参加した時、それを途中で辞める事が出来ないらしいのだ。 「それだけじゃないわ。マキナが会長に立候補する前に私を会計に推薦したもんだから、マキナが会計に立候補したじゃないのよ。そのおかげで明日の学園は大騒ぎね。私にとって色々と面倒臭くなるけど、アンタもだからね。私を推薦するのはアンタと周囲も思うだろうし、恨みを買うわね」 エリスは生徒手帳の画面を切り替え、会計の候補者にエリスの写真とマキナの写真が載ってきた。マキナはエリスに対抗心を持ち、勝負するために会長ではなく、会計に立候補してしまったのだ。 それはキャンセルする事が出来ないのだから、会計はエリスとマキナの勝負になる。マキナが出る時点で誰も会計に立候補しないだろう。 しかし、問題は会長が誰になるかだ。学生達はマキナが会長となると思っていたはずで、側近のキースもすでに副会長に立候補してしまっている。 会長となれば二人に命令出来る立場となれるのだ。
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