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「あ~……誰?」
サイガは魔法戦闘の選手の紹介を一切見てなかったので女学生の名前を知らなかった。
「…………」
サイガの言葉に傷付いたのか、それとも怒ったのか、何故か女学生の丸眼鏡がピシッとヒビが入った。
「いや……違うぞ。魔法戦闘で一緒に戦ったのは覚えてる。紹介を見てなかったから、名前を知らないだけだ。この学園にも転入してきたばかりだから……すまない」
サイガが謝ると女学生は機嫌が治ったせいか、丸眼鏡もいつの間にか修復されていた。
「……いえ……私の名前はシリアです。一応、サイガさんみたいに書記に立候補してるんで、生徒会で一緒になった時はお願いします」
シリアはサイガに頭割りを下げると、その反動からか真っ直ぐだった紫の髪が癖毛たったようでボサボサになった。書記の立候補のシリアの写真も髪はボサボサだった。
「俺が副会長になれるとは思えないけどな。それでエリスにファンクラブがどうか言っていたけど?」
「エリス様は勇者というのもあるけど、あの姿や男よりも男らしいというか、乱暴な口調や素っ気ない態度が良いというファン達がいるんですよ。最初はファンクラブは表だって行動してたんですけど、エリス様はそれを嫌って潰したんです。それでも諦めず、隠れて活動してたのが、エリス様に投票が必要な事から表に出てきたんです。ちなみにエリスファンクラブ会員No.1は私です」
シリアは名刺を渡すようにサイガに自分の会員証を見せた。確かにエリスファンクラブNo.1シリアと書かれており、エリスのイラストも描かれている。
「サイガさんがエリス様を会計に推薦してくれたので、私も書記に立候補したんです。でも、マキナ様を嫌っているわけではないですよ。けど、会計になるのは……パートナーでもあって、推薦もしたサイガさんは勿論協力してくれますよね」
シリアは無理矢理サイガの手に何かを握らせた。それはエリスのファンクラブの会員証で、パートナーという事もあるからかNo.0、リーダーと書かれていた。
「私達を率いるのと、エリス様に関する情報の提供をお願いしますね」
サイガは目覚めてから、関わる女性が変な奴等ばかりで人知れず溜め息を吐いた。
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