魔王は暗躍しない波乱の生徒会選挙

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「それにこの部屋はわしに用意された場所じゃ。外から見えんし、カギが掛けておるから、この姿がバレる事はないんじゃよ」 先生が集まる場所として職員室というもながあるが、それ以外にも先生達は個々で部屋が用意されている。それはゼミで使用する部屋でもあるが、自身が独自の研究したり、論文などを書く部屋でもある。 「別にそこに文句を言いたいわけじゃないさ……ってか、アイシャは傍観者でいると言いながらも俺を生徒会に入れようとするし、授業も勝手に決めたり、全然傍観なんかしてないよな?」 「何を言っておるんじゃ。わしはお前に意見を言っておるだけで、行動するのはお前なんじゃからな、それにそうでもしなければ何も行動を起こさんじゃろうが」 アイシャは意見と言ってるが、すでに副会長に立候補されていたり、授業も決められたりと、それはすでに行動している気がするのだが、何も言われなかった行動しないのは確かだったので、サイガは反論する事も出来なかった。 「……はぁ。それで……これから俺は何をすればいいんだ?会長に立候補した三年みたいに演説をすればいいのか?」 昼休みや次の授業までに空いた時間などで、会長候補達はそれぞれが演説して、学生に投票してもらえるように頼んでいた。他にもエリスファンクラブもエリスに一票をと叫んでいたりしたが、それをエリスが解散させたりもしていた。 「したければするがいい。今回のお前の行動は思っていたよりも迅速で、ファンクラブ会長のシリアも書記に立候補し、お前と手を組む事で利用出来る駒が増えたわけじゃが……言っておくが、お前の行動はお見通しじゃからな」 蝙蝠を使って監視してたのか、サイガがシリアに無理矢理協力関係にされた事をアイシャは知っていた。 「エリスの情報で協力してくれるのなら、安いもんじゃろ。それにお前の知らないエリスの情報を教えてもらえばいい。エリスを推薦という手で生徒会に入れさせようとするのは良かったんじゃが、それが早すぎたせいで、マキナも会計に立候補したのが問題じゃ」
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