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アイシャの闇魔法で移動したのは、ラキアス学園にあるアイシャの部屋。
「ふぅ……やっと解放されたか。長時間大人になるのは疲れるな」
アイシャは部屋に着いて、すぐに子供の姿になり、椅子に座りながら、輸血パックを啜った。
「お前な……本当に色々と言いたい事を増やしていくよな。それに聞きたい事もあるんだ。順々に答えてもらうぞ」
「そうじゃろうな。ちなみにあのタイミングで移動させたのはわざとじゃから。両手に花になるのだから、断る必要はないじゃろ」
「……そうだろうと思ったさ。そうじゃなくて!!まずは、お前は何で城にいるんだ?それも偉そうにしてるし、お前のパートナーはミクス王なのか?」
アイシャの能力は魔界トップレベルで、魔王だった頃のサイガと同等の力を持っているのだが、そうなるとパートナーは誰かという事になる。エリス以外に考えられるとすれば、国の王であり、金の力でパートナーとなったと考えるしかない。
「ミクス王はパートナーじゃないぞ。まぁ……他国を牽制している魔族はわしじゃろうがな。相談役みたいなもんかのぅ。色々とあるんじゃよ」
アイシャはそれを否定したのだが、パートナーが誰なのかは言おうとしない。
「次に暴走化の事だ。王がエリスに頼んでいたけど、何も掴んでいないという事じゃないんだろ?勝手に弟子にして、俺を巻き込んだんだからな」
「現在の状況でお前が魔王と知られるのは面倒じゃからな。わしはこれでも信頼されておるからな。最初は私に頼んできたんじゃが、お前にやらせた方が良いと思ったんじゃ。わしが面倒臭いというのもあったが、ゲート管理局から連絡があったんじゃ。一応、そこにも寄付しておるんじゃ」
ゲート管理局とはパートナー紹介所と同じ会社であり、その名の通りにゲート関連の仕事をしている。例えば、パートナーと契約する時の移動には、ゲート管理局が小さなゲートを開いたりしている。
そのゲート管理局の話では違法なゲートが開かれたらしく、人間界に紛れ込んだらしいのだ。それも魔界や機界から開けられたのかも分からず、正体も未知らしいのだ。
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