目覚める魔王 バイト中の勇者

8/26
前へ
/105ページ
次へ
昔は魔族や魔獣達は人間界に行くため、空にある巨大な穴を通れば良かっただけなのだが、今では人間界と魔界の間に巨大な魔力を使ってゲートという制限を作り上げ、ある条件を満たさなければ行けないようになっている。 そして、アイシャが用意したのはTV電話。機界で造られ、遠い者と話せるだけでなく、相手の姿も見れる優れた機械である。それについている数種類のボタンをアイシャがいくつか押すと、TVにスーツを着た目が三つあり、肌が緑の男魔族が映し出された。 魔族は翼や角があったり、肌の色が違ったり、三つ目だったりと特徴的であるのだが、それ以外は人間とさして変わらない。大きさなども人間それぞれあるように、魔族はその幅が広いと思えばいいだろう。アイシャも耳と犬歯が少し尖っているだけで、サイガに至ってはまるっきり人間と変わらない。 「こちらは魔界のパートナー紹介所です。貴方に相応しいパートナーを見つけ、その世界へ行く事が出来る仕組みになっております。おや……アイシャリウス様ではないですか。アイシャリウス様はパートナーが決まっておいでですが、一体何の御用でしょう?」 「こっちの魔族、サイガのパートナーとなれる者を紹介してほしいんじゃ。予想はついておるんじゃが、一応確認のためにな。それとサイガにパートナーの説明の続きを頼む」 「サイガ様ですね……そちらの映像から確認出来ました。アイシャリウス様の言われた通り、パートナーが選択されている間、説明の続きをしましょう」
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加