魔王は暗躍しない波乱の生徒会選挙

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「あれ?サイガさんも学園に来てたんですか」 人だかりの中からシリアから出てきて、サイガがいる事に気付き、話し掛けてきた。シリアはサイガの噂を気にせず、ファンクラブのリーダーから外す事もしなかった。 「ああ……先生に呼ばれたんだ。シリアは何でだよ。学園にいるんだ?」 休みの日までエリスの応援をしているのかと思ったが、シリアの手にはチラシがなく、代わりにメモ帳を持っている。 「私ですか……すみません。ファンクラブNo.1ですが、魔法と魔科学の研究をしてました。この場所を見にきたのも関係してるんですよ」 ここに来ている学生達は好奇心というのもあるが、ほんの一握りだが研究のために調べに来た学生らしい。死体には僅かに魔力が残っていて、切り口や属性などを見る事で何の魔法を使ったのかを自分なりにメモを書いたり、写真を撮るなどしている。 他は自分達もこうなるのかと怯える人間達がいるが、シリアは一握りの部類に入る。 「それで……何か分かったのか?」 「そうですね……私って色々な趣味があって、推理とかも好きなんですよ。それで事件を自分なりに調べたりもしてるんですけど、暴走化で人間が殺されたのは初めてなんですよね」 暴走化の事件は被害は建物などの破壊で止まり、人間が殺された事は一度もない。それが起こるまでにキースが裁いているらしい。 「それと……暴走化がどんなのか理解出来てないんですけど、死んだ魔族にこんな魔法を使える力はなかったんですよ。みんなが知らないような未知の魔法のようですし。それに……魔族の死体も何か違和感が……それが何かは分からないんですけど」 キースは暴走化を一撃で確実に仕留めるために、魔法で首を落としている。それは情報であり、シリア自身はその魔法を見ていない。この魔族も首は落とされている事から情報は正しいと判断出来る状況で、シリアは違和感があると言う。
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