目覚める魔王 バイト中の勇者

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魔界と人間界を行き来する方法は人間と魔族、魔物及び魔獣がパートナーとなり契約を結ばなければならない。 その方法は今ある能力だけでなく、潜在能力を計測する機械により数人の候補者を導き出し、その中から選ぶのが基本となっている。それは手下に命令する関係とかではなく、平等にするための処置なのだろう。 それにパートナーとなれば一蓮托生であり、違う世界で罪を犯した場合、その世界のパートナーは関係がなくとも同罪とされ、罰を受けなければならない。 そのためにもパートナー選びは慎重にしなければならず、まずは選択した相手と交渉するのだが、時間は十五分を三回設けられている。それは電話などではなく、魔族であれば、その時のみ人間界に行く事が出来る。そして、契約はお互いが手を握り『コンプリート』と言えば仮契約となり、一ヶ月間のおためし期間に入り、それを終えた後に本契約するかを決める事になっている。 だが、契約には例外もある。人間界の王族達は世界の均衡という名目で自分の能力以上の魔族などと契約が可能となっており、金持ちも能力の差を金で埋めるなどしている事もあるらしい。それと稀な事なのだが、因果関係によりパートナーとなる事が可能なようである。 「はぁ……」 「どうしたんじゃ?説明が頭に入ってこないほど馬鹿になっておるのか。それとも、あの男の姿に呆れておるのか?三つ目なのに眼鏡は二つの目だけなのはファッションかもしれんぞ」 男魔族はサイガのパートナーが決まったのか席を一時離れた。アイシャは輸血パックをすすりながら、観光客が落とした団扇で扇いでいる。
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