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「どういたしまして…って苦しいよ!」
ポンポンとユズの背中を小突く。
「じゃ、後片付けは自分でしてね♪」
「え?」
振り返るとユズの机の上にはどうやって収納していたんだろう?という位のプリントやら小テストやらお菓子の袋が山となっていた。
「はぁちゃ~ん!!手伝って♪」
「嫌だよ!!僕のじゃないんだから!!自分でかたしてよね!!」
「んなこと言うなよ~けちっ!!」
「けちでもなんでもいいです!!僕そろそろ教室戻るからね!!」
「えぇ~葉月~!!」
しゅんと耳と尻尾が足れた犬がいた。
「…そんな顔してもダメだからね!!」
「……」
「手を組んでお願いポーズしてもダメだよ!自業自得!じゃ、僕は行くからね!」
そう言うと、僕は自分の鞄を掴んで教室を出た。
『おぉ~!!』
とその瞬間、クラス中から一斉に拍手が上がった。
一体何の拍手だか…
「さすが兄弟!扱い慣れてるな~!!」
充志が思わず感嘆の声を上げた。
「っ、うるせぇ~~~~!!」
その後、S組には季節外れの春の嵐が吹き荒れた…...とか。
了
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