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━━放課後 陽菜side 「んぅ……?」 目が覚めたら、夕方の4時だった。 帰らなきゃ…。 やだなぁ。 私の両親はいないから、今は独り暮らし。 べつに、寂しいわけじゃなぃ……。 ただ、なんとなく、今は帰りたい気分じゃないんだ。 なんで…かな? すると、突然… ガラガラ.. 「朝姫ー、だいじょぶかぁ?」 「へ……?」 入ってきたのは、私をここまでつれてきてくれたっていうあの人。 名前は…、水都爽君…だったっけ? やっぱり、幻じゃなかったんだね。 「授業終わったけど…、」 「ぁ…そうなんだ、」 「これ、さっきの授業のノートね」 「ぇ…」 「俺の字だから汚くて見ずらいかもしれないけど、」 「なんで…?」 「えー? だって、朝姫って真面目じゃん? だから、授業2時間も出なかったらまずいって思うんじゃないかって思ってさっ ほら、俺ら友達だろ?」 「友達……、」 「ほらっ」 と、太陽みたいな笑顔でノートを差し出す彼。 ほんと、苦手だ。 「いい、いらない。 私、帰るから」 そう言って、立ち上がる。 「…、はい、かばん」 私のかばんを差し出す彼。 なんでここまでするのだろう。 「ありがと、」 無愛想に言う私は、ほんとかわいくない。 「おくってくよっ」 「は?」 この人は何を考えているのだろう。 「いいです、」 そう言い切って、早歩きで学校を出た。 が…
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