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歩いている私の後ろから、トコトコ歩いてくる彼。 「なんでついてくるの…!?」 イライラが押さえきれず、つい言ってしまった。 「なんでって…、なんでだろ?」 「はぁ?」 この人、ばかなんじゃないの? 「お前が心配だから…、また自殺しようとしたりしたら…って思ってさ」 「意味わかんない。私に関わらないほうがいいよ」 「…なんで? なんで、朝姫はみんなと関わらないよーにしてんの?」 「なんでって……、」 『もう、私に関わらないでっ』 『あんたなんか、友達なんて最初から思ってなかった…、』 やだやだやだ。 こわぃ……。 こわいよ……。 「うぅ……、」 「大丈夫か…!?」 「…、私には、友達なんていらない。1人でいたいの……!!!」 と、走り去ろうとした。 「おぃ…!!」 「きゃ…っ」 腕をつかまれた。 「もぅ……、やめてよ」 「お前がそんな顏するからだよっ!!」 「はぁ!?」 「下ばっか見てないで、ちゃんと上向けよっ 俺の顔、ちゃんと見ろよ、」 と、顔を上げられた。 「俺のこと、ちゃんと見たことないだろ、」 確かに。 同じクラスだけど知らなかったし。 水都君、意外とかっこいいんだ。 茶色でふわふわした髮に、丸くて大きな目が特徴的。 きっと、かなりモテるんだろうな。 なぁーんて。 「何か困ってるなら、1人で抱え込むなよ。辛いなら、俺に話してみてよ。 話すとすっきりするよ?」 「………っ もぅ、かまわないでっ!!」 「朝姫……!!!」 逃げるように走った。 こんなに走ったの、いつぶりだろう。
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