おうちに帰ろう

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      「No.29収容失敗しました。次へ向かいます」 『いや、もう切り上げて戻れ。市民が一部暴徒化していると情報が入った。何名収容出来た?』 「13名です。不在が多いのと、拒否も数名」 『やはり少ないな。とにかく、収容作業は全て終了だ。安全なルートをマップで送るから、すぐ撤収しろ』 「終了、ですか」 『何度も言わせるな。収容者の安全確保に務めろ』 「…了解しました。……だとさ。行くぞ加藤」 「はい。…お年寄りは全員拒否でしたね。あの新川っておばあちゃんも…おじいちゃんがとっくに亡くなってる事、忘れちゃってるんですかね。」 「どうだろうな」 「猫もいるし、なんて。どうしても家を離れたくなくて、あんなこと…」 「…加藤。お前、見えなかったのか?」 「何がです?」 「猫だよ。ばあさんの横に丸まってただろ?」 「えっ?いや…って主任、まさか、ですけど…」 「俺には見えたぞ、ぶちの猫。まあ、生きてる猫とは思えなかったがな」
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