人生の大博打

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勝家の訴えにピタリと動きを止め口を離すも、今にも唇が触れそうなほどの距離を保ち拗ねた子供のように唇を尖らせる。 挙句、名前で呼んでくれなければ達することもできずにこのままだとまで言い始めた。 「卑怯だ……そんな言い方をされては、言わざるを得ないではないか……。……左、近……お願いだ……か、顔を…離してくれ……」 左近が話す度に息が先端にかかり、それだけでも達してしまいそうになるのを必死で堪え、このままでは我慢できずに左近の顔を汚してしまうと思えば腕で目を覆い隠し羞恥を押し殺しながら初めて名前を呼んだ。 「(ちょ、おねだり付とかいかさまっしょ。オレの息子がヤバイ……)おねだり付とは思わなかったけど、アンタに名前を呼ばれるのはやっぱいいねぇ。でも、そのお願いは聞けないな。おねだりはもうちょっとあとでしてもらうかんね」 名前を呼んでもらうだけでよかったのだが、のっけからおねだりされればすぐにでも繋がりたくなる衝動を理性で抑え、今は勝家を良くすることに専念しようと先程から先走りが溢れてらてらと光を反射しているものを再度口に含む。 「ゃ…そ、なに…したら……我慢できな……あぁっ!」 そのまま手でイカせてくれればよいものを、またも熱くねっとりとした感触が伝わってきたが今度はそれだけではなく、容赦なく絶頂を促すように吸い上げられ、弱い部分を見極められたのか何度も同じ部分を舌先で刺激されては理性ではどうにもならず下半身をビクビクと震わせながら左近の口内に欲を吐き出した。 「…左近……何故、放さなかったのだ……」 「なんでって聞かれてもなぁ……オレはただ、こっちの方がアンタを気持ちよくできるって思ったからそうしたっつーか……」 勝家に口を放さなかった理由を問われれば少々困ったように頭を掻き、そうするのが当たり前のように感じていたので、手よりも口の方が感じてくれると思ったことを上手く言葉にできないながらも素直に告げる。 「…そうか。……左近、そこを動かないでくれ」 勝家は左近の言葉に少し考え込むような素振りを見せたかと思うと体を起こしては左近にそこを動くなと言い、左近が不思議そうにそれを見ていれば、勝家が突然左近の服を脱がし始めた。
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