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「そういう目?」
「戦鎧脱ぐところが色っぽいだとか、寝顔が可愛いとか……。それで、オレはアンタに惚れてるんだって気付いて……」
「もういい、分かった」
左近の口から語られる衝撃的な事実の数々に聞かなければ良かったと内心後悔しながら、赤くなる頬を隠すように再びそっぽを向けばいつまでも語りそうな左近の言葉を遮る。
「でさ、オレからもひとつ聞きたいんだけど。ぶっちゃけ、オレのこと好き?」
ここまで話してしまったのだから勝家の返事も聞きたいと思った左近は、単刀直入に問いかけるも、勝家の髪から覗く赤い頬が何よりの証拠で、少々ニヤニヤしながら返答を待つ。
「わ、私はまだお市様のことが好きだ。…だが、確かに…お前といる間は、そのことを忘れていられたような気がする……」
左近に好きかどうか問われれば、自覚し始めたばかりなのではっきりとは好きだと言えず曖昧に返す。
しかし左近にとってはそれでも十分な答えで、嬉しそうに微笑めば勝家を抱きしめる。
「なっ、いきなり何を……」
「今はそれで十分。けど、いつかオレのことが好きだって言わせてやるから、覚悟しといてよ?」
今はこのままでいいと言って勝家の頬に口付ければ、今後の決意表明をして立ち上がる。
近い将来、勝家が過去-むかし-を振り切れる日がきたら、その想いは左近へと向いている──のかもしれない。
了
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