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「ふっ…ぁ……(草の匂い……そうか…私は押し倒されているのか……。月とはこんなに眩しかっただろうか……。だが……)綺麗、だ……」
名残惜しげに唇が離れていけば草の匂いを感じて、目を開けば勝家は押し倒されていたことに気付き、僅かに潤んだうつろな瞳で左近を見つめれば月を背にした姿が眩しくも綺麗に思い、心の中で呟いたはずの言葉は勝家の意思とは裏腹に口をついて出てしまっていた。
「"綺麗"ってのは桜?それとも月か?まぁどちらにしろ、今のアンタの格好の方がオレには綺麗に見えるけどな」
左近の言葉に自分の姿を見れば、酒と快楽により体が火照っていたために気付かなかったが、着物の前は開かれ袴や褌も取り払われたあられもない姿を晒していた。
どうやら口付けをしながらも少しずつ脱がされていたのだろうと思い至るも、それ以上にここにきて急激な羞恥心を覚えて耳まで赤くなれば、何とか隠そうと脚を閉じようとした。
しかし、勝家の脚の間で左近の体がそれを遮っており、手で隠そうとすれば今度は左近の手が半勃ちした勝家のそれを握り込む。
「あっ…(掌が…熱い……)」
軽く握り込まれただけだというのに勝家の体は敏感に反応し肩をビクッと震わせる。
元々の体温が高いのか酒の所為か、左近の掌も熱く感じてそれに呼応するように自分のものまで熱く熱を帯びていく錯覚に陥る。
撫でるように勝家の棹を数回往復すれば、少し体の位置をずらしてそれを口に含む。
舌を這わせ、先端の割れ目に舌先を押し付け、頭を上下に動かしながら軽く歯を触れさせる。
あらゆる方法で刺激を与えられた勝家のそれはその度に硬く張り詰めていく。
「待て…っ、あぁ……ふっ、ん……」
勝家が止める間もなく熱く濡れた感触が己がものに触れれば自分のとは思えない声が上がり、嬌声を抑えるように唇を引き結んで左近から与えられる刺激に耐える。
しかしそれも長くは続かず、硬く張り詰めたものは限界を訴えかけてくる。
このままでは左近の口内に吐き出してしまうと思った勝家は、愛撫を続ける左近の髪に指を潜り込ませあまり力の入らない手で押し返す。
「も、いぃ…はな…て……くれ……」
「…名前。いい加減呼んでくれてもいいんじゃね?一緒に行動するようになってから一度も呼んでくれてないよな。勝家が俺の名前を呼ばないなら、ずっとこのままだけど、どうする?」
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