82人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
「すげーな!もはやマニアだな!」
「しようがないだろ。からかうなら帰れよ」
素直に感嘆の声をあげるタカシと、やっぱり気恥ずかしさが拭えないらしいハルキ。昨日より僅かに距離は縮まったものの、二人の間にはまだまだぎこちなさが残っている。
そして俺と隊長は、タイミングをはかってさっきからずっと、息を殺して二人のやり取りを注視しているわけだ。
俺達は今日、それはそれは重大な任務を負っている。
昨日の喧々諤々の議論の末、結局はハルキとタカシを、味方としてスカウトする事になったからだ。
俺達に課されているのは、まずはハルキとタカシに姿を見せる事。そして、出来れば話をして、友好関係を築く事だ。
重大任務過ぎて、心臓のバクバク感が半端ない。
一方でもしも俺達の意に反して、二人が俺達を捕まえようとした場合は、絶対に逃げ切る事も大きな任務として課されている。
俺はハルキを信じているが、長としては不測の事態も考慮するのが当然で…だからこその、この人選って訳だ。
ハルキのパソコンに今まさに激写された感じで映し出されてる「小さなおじさん」みたく、運動神経が衰え始めたおっさんだと、もしもの時に捕まっちまう可能性があるからな。勿論、爺さん達なんか論外だし。
最初のコメントを投稿しよう!