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てるてる坊主てる坊主 明日天気にしておくれ
それでも曇って降ったなら そなたの首をチョン切るぞ
「明日晴れるといいな。だって文化祭だもん!
てるてる坊主かけておこう。」
ああまたね。他人事だと思って。
はいはい、どうせ私は雨女のてるてる坊主ですよ。
どれほど祈っても晴れたためしがない。
そしていつもあの地獄を見ることになるんだ…
それでも晴れてくれとひたすら祈り続ける。
神仏よ 願わくは 明日の天気を 晴れにして
この子供の願いを かなえてください
そしてわたしを この つらい運命から 救ってください
どうか、どうか…
次の日になり、天気はというと…晴れた!
「やった!これで外での出し物成功間違いなし!」
私もほっとした。
毎回首でつるされた後、八つ当たりなのか、これも運命なのか、
首で引きちぎられて捨てられる。
初めて晴れたのだ。このときを待っていたのだ。
どんないいことが待っているんだろう。
救われたと思った時。
にょきにょき足が生える。羽も生えてきた。
私どうしちゃったんだろう…でももうてるてる坊主じゃないんだ!
キミはてるてる坊主としての使命を終えたんだよ。
願いは聞き届けられたんだ。人のために祈る口なんて、声なんてもう必要ないだろう。さえずる鳥として自由に生きたらいい。
ポッポッポ
そう、彼女はあの無垢な白鳩になったのです。苦しみを感じずに生きていく平和の象徴に。
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