第7話

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「二束三文でね。 最初はそこの息子夫婦が,こっちに帰って来たら暮らすために毎日日中は天気の加減を見ながら窓だけ開け閉めを頼まれただけなんだ。」 「通気性をよくするためでしょう。 それでないと木造の家はもろくなると聞いた。」 「ところが息子夫婦は定年まで帰って来れないと来た。」 「それじゃ遠くに行ったんだ。 外国でも。」 「よく言えば、民間企業の転勤とか悪く言えばわかんない。」 「そうね、人を疑うもんじゃないわ。」 「その家ではこの家の処分を考えた。 うちのばばあが口を挟み、安く売ってけれだって。」 「丸で八百屋とか魚屋で買い物するみたいね。 うふふ。」 「それでも500万円,その金どこから持って来たと思う。」 「わからない、どこから。」 「親父から楠根た。」 「まあ、それで。」 「あの頃は親父もバブルですごい金を持ってたらしく、親父とばばあは凄いケンカだ。」 「それじゃ怒らせたら大変じゃない。」 「朝になったら、すぐここを出よう。 前に連れ込んだ女はばばあに見つけられ殴られた蹴っ飛ばされして泣きながらここから出て来ました。」
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